・美坂栞[みさか・しおり]
本編ヒロインの1人。16歳で、福南学園高校に通う祐一の後輩。神職家・美坂氏傍系の末裔。無邪気だが少し小悪魔的なところもある。原因不明の病のために長いこと休学し、一時期「余命1ヶ月」と申告されるほどの危険な状態になるが、2月初めに奇跡的に生還した。その病気も実は殺生石の呪いによるもので、そのせいで殺生石の手先に取り憑かれ、呪いによって秋子を病気にしてしまう。自宅は今宮地内。築10年ほどの新しい家で、姉の香里・両親と四人暮らし。・美坂香里[みさか・かおり]
祐一の同級生で、栞の姉。17歳で、福南学園高校に通う。名雪以外の周りには隠しているが実は鉄道研究部副部長で、その筋の知識はかなりのものがあるほか、写真の腕前もなかなかのもので、一眼レフを抱えて県内の撮影地を行脚したりすることもある。栞と和解して以後は、密かに彼女を鉄道趣味に染めてしまおうなどと考えてもいる。気が強く、祐一や北川をどつき回すこともある。神職家・美坂氏傍系の末裔。病み衰える妹の栞の姿見たくなさのあまり、長いこと彼女を無視し続けてきたが、栞が突如全快したことで和解し、現在では仲良く暮らしている。《舞台の設定(4)》
・百花屋(ひゃっかや)
南森市随一の繁華街・雪見通りに本店を持つ洋菓子販売・喫茶店。雪見通りの南口、駅前通りの雪見町交叉点北西角にあり、眼の前に市電の雪見町電停、道を隔てた先には南森市役所と南森郵便局があるという一等地に位置する。大正12(1923)年創業で、現存する店としては南森市有数の老舗。建物の基本部分は昭和12(1937)年火事による改築当時のものを残している。昭和モダンの面影を残す外装から「登録有形文化財」として登録されているほか、店の前には市指定文化財の「南森町道路元標」が鎮座している。メニューはほとんどの洋菓子店・喫茶店にあるものと同じであるが、販売ではショートケーキが昭和の面影を残す味として人気であり、喫茶ではショートケーキに加えてパフェ・サンデー類が人気。福南学園高校はじめ多くの高校生や大学生にも人気の店で、特に甘い物好きの名雪はここのメニューの中でも古株、戦後すぐのメニューに既にあった「いちごサンデー」を気に入っており、何かあると祐一におごらせる。また栞もアイス好きが高じて顔を見せることがある。なお変わったメニューとしては「ジャンボミックスパフェデラックス」があり、特注のバケツ大の硝子容器へさまざまな味のアイスクリームやチョコレートなど、およそチョコ・サンデー類に使用される全ての食材がてんこ盛りにされたものが出て来る。値段は3500円で、その規模のすさまじさと値段で県内でも有名。
[コメント]
《登場人物の設定》
今回は、登場人物最後の2人である美坂姉妹です。といいましても、あまり本編と大きく変わるところはありません。
あるとすれば、香里が鉄道研究会の副部長で鉄道趣味人、というところでしょうか。これは一時いろいろなところで疑問点として言われたことのある「香里の部活は何か」という問題に着想を得たものです。秋子さんの職業と一緒で、一時期コメディやギャグSSの材料にされていたものですが、あれを原作でもあいまいなのをいいことに趣味に引っ張ってしまったのがこの結果です。まあでもその結果、香里が市電の撮影をしているところを電車の中から見かけて、これ幸いと声をかけたら栞のことを相談される……という流れに持って行けたので、趣味に走った設定ながら何とか生きたのは僥倖です。水瀬家に遊びに来るでもよかったのかも知れませんが、香里の場合は原作でそういう場面がなく、何となく祐一や名雪とは学校でのつき合いが主なイメージがあったため、ちょっと唐突になって無理があるかな、と。この話の日付は設定上3月31日、春休みのまっただ中で学校も出せませんし……そういう意味でも別の方法で接点を作るきっかけが必要にならざるを得なかったので、ちょうどよかったかも知れません。
《舞台の設定》
今回は百花屋です。元は設定を作っていなかったんですが、イメージ作りのために作ってみました。百花屋に関しては原作ではCGとメニュー以外全く設定がないので、ここでも好きなようにやらせてもらいました。Copyright(C) MasakiTomasawa.