車端部の様式(その1)
「車端部」……要するに車輛の運転台と反対の端のことです。そんなものみんな一緒、と思いきや、実はここにも違いがあるのです。
・トイレ窓
まず、Tc車および一部のT車についているトイレの窓から見てみましょう。ここでは2つの違いがあります。
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トイレ窓[1](大窓) |
トイレ窓[2](細窓) |
ご覧になればお分かりのように、[1]のように大きな窓で上の方だけが開くものと、[2]のように上の方に1つ細長い楕円の窓がついているものがあります。
これもやはり番代による違いで、[1]は初期車(0番代・600番代)と300番代、[2]は1000番代以降に見られるものです。
なお、クハ115形では1000番代のうち1101〜1141にはトイレ自体がないため、トイレ窓についての違いを見ることは出来ません。
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トイレ窓[3](トイレなしTc) |
上の写真では、左側が1000番代で、向こう側についているはずのトイレがありません。
・ベンチレータ
ベンチレータとは要するに「通風装置」で、屋根にある換気装置をさすことが多いですが、ここでは車端部に設置されているモーター用の空冷装置のことをさすものとします。
115系の場合、このベンチレータに明らかな違いが見受けられます。
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ベンチレータ[1](妻面ダクト方式) |
ベンチレータ[2](雪切窓方式) |
[1]は少し分かりづらいですが、向かって左側の妻面の上の方に小さなダクトがついています。これに対し、[2]では向かって左側の窓の横にクーラーのファンのようなスリット窓がついているものがあります。実はこれが俗にいう「雪切窓」で、「寒冷地対策」独特の改造です。
実を言いますとこの雪切窓がベンチレータだと知ったのは、○勝さんの情報によります。何でも、もともと妻面にあったベンチレーターを耐雪構造の強化のために車端部へ移したもので、その構造は、雪混じりの空気を取り入れてベンチレーターの入った円筒に沿わせて滑らせる、というようなものなのだということです。新幹線の200系にもついているものなのだそうですが、なかなか面白い空冷装置もあったものです。
なお、雪切窓は全部の側面についているわけではなく、動力のあるM・M'車の両端に左右交互についています。
これも「寒冷地対策」という文面からもお分かりのように番代による違いで、[1]は初期車(0番代・600番代)と300番代、[2]は1000番代以降でのみ見られます。
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