美濃町線電停めぐり
7.野一色 のいしき
所在地:岐阜市野一色8
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野一色電停全景 |
専用軌道に入ってからしばらく行くとある電停です。2面2線の交換駅で、徹明町方面の電車と新岐阜方面の電車が続行で入ってくるため、ホームは長くとってあります。徹明町方面の電車から新岐阜方面の電車に乗りかえる際は、ここで乗換えです(詳しくは「美濃町線の『伝説』」を参照のこと)。
周囲は山を背にした住宅地で、まさに裏路地という感じの場所です。その住宅の中を一旦抜け、南側の通りに出て琴塚方面へ歩いて行くと、この辺の鎮守である白山神社の一ノ鳥居があります。
本当は電停から道を抜けて行くと脇参道があるのですが、ここではあえて正面から行くことにします。
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白山神社一ノ鳥居と参道 |
白山神社脇参道 |
この一ノ鳥居の先に太鼓橋(御神橋で、人が渡ってはいけない)があるのが見えるでしょうが、ここで注目したいのはその先です。何と、参道の入り口を美濃町線が横切っているのです。
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太鼓橋と美濃町線の踏切 |
境内の踏切を通過する880形 |
この踏切、左の写真でも見られるようにすぐ側の大きな道の踏切とセットになっています。ただ、左の道が1種なのに対してこちらは4種です。もちろん、すぐ側なので4種でも実質3種で、別に危なくも何ともないのですが。ここを通過するところはなかなか絵になります。
踏切をすぎると朱塗りの鳥居があり、本格的に参道に入って行きます。
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白山神社参道 |
白山神社本殿 |
非常に長い参道です。しかも両脇は背の高い木で固められており、本殿もそこそこの規模で、「郷社」という社格に似合わない規模です。これだけ大きい神社が、広く知られることもなくこの野一色の地にひっそりと鎮座しているかと思うともったいない気がします。
なお、本殿の横には住宅地の方へ出る参道もあります。
この白山神社の由緒はかなり古いようで、参道の解説板によると、神の教えにより白山を開山しに加賀へ向かっていた泰澄(たいちょう)大師が、この地に留まって村人に説法したのを記念して、白山比祥神社を勧請したのが始まりだそうです。泰澄大師は伝説的な人物で生没年が詳らかではありませんが、概ね7世紀後半から8世紀中頃の人なので、社伝を信じれば創建1300年近い古社ということになります。
本殿の周りにはいくつか摂末社がありますが、そのうち本殿の左側の一番左にある参道には社殿がなく賽銭箱だけがあり、「奥之宮遥拝所」とだけあります。実はここの神社は背後の権現山の頂上にいわゆる「奥之宮」を持っているのです。白山神社のような山岳信仰から始まる神社の場合によくあるのですが、ほとんどが本社でこんな摂社でもない神社が持っているのは珍しいです。
奥之院へは遥拝所から入れるようになっており、きちんとした道がついています。小さい山ですが急勾配で、上まで登りきるのに30分から40分はたっぷりかかります。
登りきると頂上はちょっとした広場になっていて、その背後にある高台に奥之院があります。
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奥之宮入口 |
奥之宮遙拝所 |
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権現山頂上の奥之宮 |
「奥之院」と呼ばれる社殿は非常に小さなもので、訪れる人もほとんどなくひっそりとしていますが、きれいに整備されています。そして何よりもいいのが、ここからの眺めでしょう。ここから見ると、岐阜市内が見渡せ、気持ちがいいです。
30分から40分と手ごろな時間で上ることが出来、眺めもよいということもあり、絶好のハイキングコースです。時間があったら登ってみるといいかも知れません。
Copyright(C) Masaki Tomasawa.